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脳科学者が伝授!着眼点をアップさせる口グセ

人が「ひらめく」際には「脳内活動ネットワークの組み替え」が瞬間的に起こっているものと推測される。この組み替えは、異なる複数の情報をつなぎ合わせる俯瞰的な視点が不可欠になる。

一つだけの視点にこだわるのではなく、複雑にからまり合う問題を客観的に捉え、自分自身を含めた全体像を得ることが必要となる。こうした「メタ認知」が「ときめき」には欠かせない。

アメリカの精神医学者ロバート・クロニンガーは、人間の気質や性格を七つの因子で分類できると提唱した。

・Novelty Seeking(新奇探索傾向)

・Harm Avoidance(損害回避傾向)

・Reward Dependence(報酬依存傾向)

クロニンガーの説には批判も多いが、研究が進むにつれて、裏付けとなる研究結果が次々と出てきている。たとえば、ドーパミン第四レセプター遺伝子内の塩基繰り返し回数が多いほど、新奇探索傾向が強まり、またセロトニンの再吸収を行うトランスポーターが遺伝的に少なく、セロトニンが不足しがちな人では、損害回避傾向が強まることが明らかになっている。

日本人の場合、一般的に新奇探索傾向が弱く、損害回避傾向が強い。上で述べた遺伝子に関する調査では、ドーパミンのレセプター遺伝子の塩基繰り返し回数については、4回以上の繰り返しが見られる人の割合が、アメリカ人で40%、ブラジル人では70%にもなるのに対し、日本人はわずか7%しかない。また、セロトニンのトランスポーターに関しては、セロトニンが不足しがちになる遺伝子を持つ人の割合が、アメリカ人40%に対し、日本人では98%にもなる。

新奇探索傾向の強い人は新しい刺激や環境を好むので、異なる考え方や感性、環境に囲まれやすい。そこでキーワードとして、「同じだ」「似てる」を使ってみよう。そうすると全く異なるものの中に共通性を見出せ、メタ認知が促進されやすくなる。

またテストの点数で測れるような、単純な反応とは別に年齢とともに増してくる知性もある。これが「結晶性知(クリスタル・インテリジェンス)」で、それまでの人生で得た経験や知識を基に、さまざまな物事を結びつけたり分析して問題を解決していく能力である。極端にいえば、他人の知恵をうまく借りる能力さえあれば「ひらめき」について悩むことはないだろう。

文責:田辺和彦

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