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懐の深さ

母親が幼い我が子に絵本を読んでいる姿を思い浮かべてみる。

母親は、絵本のそのページに動物の「ぞうさん」が描かれていて、その「ぞうさん」を指差して、我が子に「これって何かなー?」と質問している。とてもすてきな、良くある情景である。

そのときの母親は、当然、その絵が「ぞうさん」であることは承知している。それをあえて「これって何かなー?」と尋ねているわけである。これってなぜすてきな情景なのであろうか。母親はそのことを知っているのに、あえて、我が子に質問しているのである。そこに、我が子を「りっぱに育てたい」という母親の愛情があり、育成への本質があるような気がする。

「知ってて聞くは、徳なり」という中国の古い言葉があるが、まさにこの母親はこれを実践しているのである。これは、企業においても、メンバー育成のおおきなヒントになるのではないか。大人と子供という、人生においての経験も知識も大きく違う関係であるから実践できるということもできるが、そのぐらいの違いは社会においても考えようで実践できるのではないか。それが、「懐の深さ」という言葉で表されるものと思う。

母親と子供との見た目の違いを、自分の心の中でおきかえ、教える立場と教わる立場を理解し、教わる立場の人に配慮しながら愛情を持って接するということは「懐の深さ」のあるリーダーだからこそできることである。つねに余裕を持ったリーダーでありたい。

著:佐藤創紀 →https://www.gdl-j.co.jp/archives/001031.html


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