人事管理ヒント集HUMAN RESOURCE MANAGEMENT HINT

失敗の多くは、事前論理と事後論理のギャップ

容器包装リサイクル法を修正して、ビールビンなどはリサイクルからリユースに戻すことが検討されているようです。これまでの法律では、使用済みビール瓶などは小さく粉砕して土木用資材・建材などに再利用する方向で進められていました。しかし、この再資源化を中止して、再利用する以前の方式に戻すということです。

今回の変更を事前論理・事後論理の視点からとらえると、商品・事業企画などの成功事例・失敗事例とおなじような特徴がみられます。企画・計画段階で想定した論理がはずれ、事後的に見直すと現実に即さない事前論理であったことが明らかになる点です。成功事例では、新商品のように発売まえに想定した事前論理がはずれ、まったく異なる別の事後論理でヒットにつながったりする幸運もあります。しかし、失敗事例の大半は、事前論理と事後論理のギャップの発生です。想定外のことが事後論理で明らかになり、事前論理による計画そのものに問題のあったことが確認されるケースです。

ビンのリサイクル化も、事前論理では道路工事の埋め戻しや舗装用ブロックなどに再利用することが想定されていました。日本全国の土木工事の市場規模から、その数パーセントでも再利用できればビンのリサイクルが可能との判断です。ところが現実は、ビンを回収して小さく加工するリサイクル工場に運び、そこから再び工事現場や建材の生産工場まで運送するため、なにかとコスト高になります。同じように土木資材・建材用に再資源化する地域型の焼却灰よりコスト的に不利になることは明らかです。環境問題は「総論賛成、各論反対」が一般的ですから、いくら環境にやさしくてもコストアップにつながるようでは利用されないという現実的論理があります。

同じリサイクルでも、ペットボトルの再資源化はうまくいっているといわれています。再利用型の商品も数多く開発されています。ところが、ここでも事前論理と事後論理のギャップが生じているようです。中国がペットボトルなど日本のゴミ資源を大量に輸入することで、冬場などは日本国内でリサイクル用のペットボトルが不足する状態になったりします。事前論理では、ペットボトルの再資源化は国内で完結する想定でした。事後論理となる中国への輸出は、予測していなかったようです。

著:加宮利行→https://www.gdl-j.co.jp/archives/001032.html


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