異動や転職で、業務知識、業界知識がないと悩むリーダーに贈る
自分の専門分野ではない組織の管理職に就いてしまった。
永い人生の中では起こりがちだ。一部の人は、果敢に勉強し、新たなフィールドでチャレンジを始める。一方、自分のこれまでの得意とする分野だけを見ようとする人もいる。苦手分野に尻込みする人もいる。それでも立派にマネジメントできる。そのような例は幾つもある。
日経新聞2007年5月9日夕刊の一面コラムに「メッキ会社経営 伊藤麻美さん」の記事が出ていた。
ラジオのDJから宝飾業界にチャレンジしようとしていた伊藤さんが突然、倒産間際の会社の社長に就くことになったらしい。就任直前は、最盛期50億あった売上が4億円。倒産寸前だったようだ。それを3年間で黒字転換し、7年目に借金を半分以下にされた。
大きいところでは、お菓子メーカーのナビスコ社長からI、IT業界のIBMに転身し、瀕死のIBMをよみがえらせたガースナさんが有名だ。新しい業界や業務に、困ったら基本に立ち返ることだ。
マネジメントの基本にそって忠実に行う。そうPDS(Plan、Do、See)のサイクルを回す。
プランを立てるためには情報収集と分析が欠かせない。その過程で、業界や業務知識は担当者やお客様から学んでいく。進捗チェックの際にも、担当者やお客様の意見に真摯に耳を傾ける。その繰り返しが、自然とリーダーシップを生んでいく。
「自分の無知が晒される」と感じ、未知な分野を避けてしまいたくなるのが自然な心理だ。でもその誘惑を踏みとどまり、担当する組織を成功に導いて欲しい。メンバーも活かして欲しい。そう想う。
文責:田辺和彦
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