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基本構造が間違っているといずれ混乱する ~マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワーから学ぶ~

コンサルタント会社マッキンゼーのマービン・バウワーさんの業績を紹介した本である。

そのなかで、こんな記述がある。

1935年、まだアソシエートとして2年目だったときに、彼はジェームズ・O・マッキンゼーに「会計監査とコンサルティングを同一事務所が行えば必ず利益相反をもたらす」とのメモを提出している。

エンロンの粉飾決算に関わったとされて倒産に追い込まれた会計監査事務所アーサー・アンダーセン。
バウワーさんは、その危険性を60年ほど前に指摘されていたことになる。

エンロン等で粉飾に関わったとされる丁度その頃、同じ業界に身を置く、私にも、エッ? と思わせる事象が目についた。何でこんな仕事で2億円のコンサルティング料がとれるの?
という感じだったのだ。

知り合いに聞くと「彼らは経営者を会計監査で脅して、高額のコンサルティング料を払わざるを得ないような仕掛けを作っている」ということだった。

でもその時に感じたのが、ブレーキ役とアクセル役が同じファームで無理なくできるのだろうか? コンサルティングの面白さ、やり甲斐というよりも、金で社員を釣っている感じが強くするな~。
ちと、危ないな...という事だった。

いくら管理手法に工夫を凝らしても、事業の基本骨格、根本精神が人間心理的に無理ああるとダメだ。いや当面は良くても、いつか社会問題を引き起こし、淘汰されてしまう。

先の言葉を読んで改めてそう感じた。同時に「骨格、基本構造の善し悪し」を見破れる人はそう多くない。多くの人は、枝葉末節にとらわれてしまう。貴重な能力である、とも感じた。

文責:田辺和彦

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■「マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー」
発行:ダイヤモンド社
著:エリザベス・イーダスハイム
訳:村井 章子
 

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