従業員満足度(ES)と業績は関係がない?
従業員満足度 ES(employee Satisfaction )が上がれば、業績が高まるのか?
1950年代以降の研究では「従業員満足度」と「業績」は関係性が薄い、という結論的なものが出ているようである。従業員が会社や仕事、処遇に満足しているからといって、高い業績をもたらすとは限らない、ということのようだ。
職務満足研究史では既にBrayfield & Crockett(1955)がモラールサーベイで測定されるような態度が職務上のパフォーマンスと関連している証拠はないと結論しているのである。(中略) 三隅と佐藤(1964)が満足度と生産性の関係について内外の研究結果をまとめた結果、彼らは両者の関連性は低い、と指摘している。 西川一廉著「職務満足の心理学的研究」より
むしろ「従業員満足」は「退職」などへの影響がある、というのが先人達の結論である。しかし時は流れ今日では、研究の当時よりも顧客と直接やりとりするサービス業務が増えている。
コンサルタント会社に勤務していた時代の経験から、プロフェッショナルは、自分の所属する組織への満足度とは関係なく、顧客に貢献しうとする。研究結果の通りである。しかし志が中途半端な場合、自分の心、満足度が、仕事(顧客)に良くない影響を与えることもあると思う。
もう少し研究の深化を待ちたい。
文責:田辺和彦
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