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退職代行が増えた理由は?

退職代行サービスの利用増加がたびたびニュースで取り上げられています。

マイナビの調査によると、正社員の約3割が年末年始休暇後の退職を経験し、とくに20代では4割を超える。「自分の将来について真剣に考えた結果」という退職理由が目立ったという。

一部では「若手の忍耐力低下」「安易な離職」といった見方もありますが、人事の視点から見ると、別の構造的な問題が浮かび上がってきます。

それは、社員が退職について相談できる相手が社内にいない状態とも言える状況です。

なぜ休暇後に辞職なのか

そもそもなぜ長期休暇後に辞職するのでしょうか。理由として長期休暇中に友人や家族など仕事関係者以外の人物と会話した際に自身の環境と他社の環境の差異が表面化され、「本当にこのままで良いのか」や「相手の働き方が良い」などの考えが生まれ辞職するという流れが増加傾向にあります。

退職代行は「辞めやすくなった」のではなく「言えなくなった」結果、退職代行の利用理由として多く挙げられるのは、次のような声です。

これらは「辞めたい気持ちが軽い」からではなく、社内で安心して退職の話ができないことを示しています。

なぜ会社に相談できなくなったのか

1. 上司が相談相手として機能していない

業務管理に追われ、部下の悩みやキャリアの話まで手が回らない管理職が増えています。

結果として、退職の相談=トラブルという認識が強まり、話すこと自体が避けられます。

2. 人事が「管理部門」になりすぎている

人事が評価・労務・制度運用に寄りすぎると、社員からは「本音を話す場所ではない」と見られがちです。

相談すると不利になるのでは、という不信感が生まれるケースもあります。

3. 話しても変わらないという経験の蓄積

過去に相談しても改善されなかった、意見が反映されなかった経験があると、「言うだけ無駄」という諦めが生じます。

退職代行が示している組織からのサイン

退職代行の増加は、単なる個人の問題ではありません。

それは、組織内の対話機能が弱っているサインでもあります。

この状態が続くと、同じ理由での離職が繰り返される可能性が高まります。

人事に求められる役割の再定義

いま改めて問われているのは、「人事は何のために存在しているのか」という点です。

制度を運用するだけでなく、社員と組織の間に立つ"翻訳者・調整役"としての役割が重要になっています。

こうした問いに向き合うことが、人事不在の状態を解消する第一歩です。

退職代行は「最後の手段」であるべき

退職代行は、本来"やむを得ない場合の選択肢"であるはずです。

しかし、それが日常的に使われるようになっているとすれば、組織側にも見直すべき点があると言えるでしょう。

退職代行が増えている今だからこそ、人事は「辞めるとき」ではなく「辞める前」に向き合える組織づくりを考える必要があります。

文責:田辺顕

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