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Z世代を叱るときに上司が知っておくべきポイント

「少し厳しく注意しただけで退職に...」

「叱ったつもりが"パワハラ"と捉えられた...」

このような声が、現場のマネージャー層から多く聞かれるようになりました。背景にあるのは、Z世代(1990年代後半〜2010年生まれ)と上司世代との価値観のズレです。

職場での信頼関係を築くには、「叱る技術」のアップデートが求められています。

なぜ「叱り方」が問題になるのか

近年、Z世代(1990年代後半から2010年前後に生まれた世代)が続々と職場に加わっています。彼らは、生まれた時からインターネットやSNSが身近にあり、常に"即時のフィードバック"を受け取って成長してきました。そのため、「伝えられ方」や「言葉の選び方」に敏感であり、上司や先輩からの注意が強い口調や一方的なものだと、不安や反発心を抱きやすい傾向があります。

また、職場環境においては「心理的安全性」をとても重視します。これは単に甘やかされたいということではなく、自分の意見を言っても否定されない空気や、公平で筋の通った指摘がなされる環境を望んでいるということです。そのため、理不尽に感じられる叱責や感情的な注意は、モチベーション低下や早期離職につながりやすいリスクがあります。

しかし同時に、Z世代は「自分を成長させたい」「正しいフィードバックを歓迎したい」というポジティブな面も持ち合わせています。つまり、ただ叱られることを嫌がるのではなく、「納得できる形で、改善点を教えてもらえる」のであれば、前向きに受け止めることができるのです。この二面性こそが、Z世代への叱り方が難しくも重要なテーマとなっている理由です。

叱り方のNG例と上司が気づきにくい"誤解"とは?

Z世代とのコミュニケーションで問題になりやすいのが、上司が「当たり前」と思っている叱り方が、相手にとっては強い否定や威圧と受け取られてしまうケースです。

たとえば、「厳しく言わないと覚えないだろう」と思って感情を込めて叱ったつもりが、Z世代には「怖い」「威圧的」と捉えられることがあります。

また、「その場ですぐに言わないと意味がない」として人前で叱る行為も、本人には「恥をかかされた」と感じさせてしまい、信頼関係を損なう原因になります。さらに理由を伝えずに結論だけを押しつける叱り方は、「納得できない」「自分だけが責められている」と感じやすく、指導として機能しにくくなります。 よくあるフレーズである「前も言ったよね?」という言葉も、Z世代には"過去も含めて否定された"と受け取られ、萎縮や反発の原因になることがあります。

叱り方の5つのポイント

人前で叱らない

公開の場での指導は、Z世代にとって「人格を否定された」と受け止められやすく、深い屈辱感につながることがあります。その結果、職場での萎縮や人間関係の悪化、さらには退職リスクを高めかねません。注意や指導は、必ず1対1の環境で行い、相手のプライドを尊重することが大切です。

感情的ではなく、事実ベースで伝える

「なんとなく態度が悪い」などの主観的な表現は、反発や不信感を招きます。一方で、「会議中にスマートフォンを操作していたため、議論に集中できていなかった」というように、具体的な行動を示すことで、納得感が生まれます。感情を排除し、事実ベースで伝える姿勢が、改善行動への前向きな動機づけにつながります。

叱る前に"聞く"姿勢を持つ

一方的な叱責は「押し付けられた」と感じさせますが、まずは「どうしてそうしたのか?」と背景を聞くことで、指導が双方向の対話になります。相手の事情を理解したうえで指導すれば、公平さや信頼感が高まり、受け入れやすくなるのです。特にZ世代は、自分の声が尊重されることに価値を置くため、この"聞く姿勢"が重要です。

否定よりも提案を

「それはダメだ」「違う」といった否定的な言葉は、相手の意欲を削いでしまいます。代わりに「次はこういう方法でやってみよう」といった提案型の伝え方を心がけることで、改善行動が具体化され、前向きな気持ちで取り組めるようになります。叱る目的は"失敗の指摘"ではなく"成長の支援"であることを意識するとよいでしょう。

"評価している部分"も添える

「ここはできていたね。ただ、この部分は改善が必要だ」というように、良い点と改善点をバランスよく伝えると、相手は自分が全否定されたとは感じません。むしろ「自分の努力は認められている」と安心でき、改善に前向きな姿勢を持ちやすくなります。ポジティブなフィードバックを織り交ぜることで、叱責がモチベーションの源にもなり得ます。

まとめ:叱る="悪"ではない。大切なのは"伝え方"

Z世代に叱ることを恐れる必要はありません。大切なのは、「相手に届く叱り方」と「関係性を壊さない伝え方」です。

適性や傾向を理解したうえでのフィードバックは、単なる叱責ではなく、成長のための対話として機能します。

Z世代の育成は、叱ることをやめることではなく、"叱り方を変える"ことから始まります。

文責:田辺顕

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