2026年の高校生の採用事情とは? ~企業が「選ぶ」から、学生に「選ばれる」採用市場へ~
新卒採用というと、大学生の就職活動を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし今、採用競争が非常に激しくなっている市場の一つが、高校生の新卒採用です。
厚生労働省のデータでは、高校新卒者の求人倍率は3.94倍、就職内定率63.4%に達し過去最高の水準となっています。
単純に考えれば、就職を希望する高校生1人に対して、約4件以上の求人がある計算です。
兵庫県では4.38倍という水準も報じられています。
株式会社ジィ・ディー・エルでも高校生採用に採用適性検査を利用する企業様が増加しております。
今後の予想される採用市場でも数年で各地域での求人倍率が4倍を超えると想定できる領域まで来ていると考えられます。
なぜ高校生の採用競争が激しくなっているのか
大きな背景にあるのは、少子化です。
高校卒業者そのものが減少していけば、当然ながら企業が採用できる若年人材も減っていきます。
一方で、
- 建設
- 小売
- 医療
- サービス
など、若手人材を必要としている企業は数多くあります。
そのため、限られた高校生を多くの企業が取り合う状況が生まれています。
特に地方では、「採用できなければ、将来的に現場を維持できない」という企業も少なくありません。
高校生採用は単なる新卒採用ではなく、事業を継続するための重要な人材戦略になっています。
「求人票を出せば応募が来る」時代ではない
求人倍率が4倍を超える環境では、企業が求人票を出しただけで応募してもらえるとは限りません。
高校生から見れば、「どの会社がいいのか」を比較できる選択肢が増えています。
そのとき比較されるのは、給与だけではありません。
例えば、
- どのような仕事をするのか
- 職場の雰囲気はどうか
- 若手社員は活躍しているか
- 研修制度はあるか
- 資格取得を支援してくれるか
- 休日は取りやすいか
- 数年後にどのような仕事ができるのか
といった情報も、企業選びの材料になります。
企業側も「採用条件を提示する」だけではなく、「自社で働くとどのような将来があるのか」を説明する必要があるということです。
知名度の低い企業ほど「仕事を見せる」
高校生採用では、大企業と中小企業の知名度には大きな差があります。
高校生が最初から知らない会社を志望する可能性は、当然高くありません。
だからこそ、中小企業では会社名を知ってもらうだけではなく、実際の仕事を見せることが重要になります。
2026年6月には神戸市で、高校生が企業の仕事を体験しながら情報収集する就職イベントも開催されました。32社が参加し、20校から369人の生徒が参加しています。
会社説明だけでは分からない、「どんな人と働くのか」「実際には何をするのか」を見せることが採用活動の一部になり始めています。
採用後の「定着」まで考えなければならない
採用競争が激しくなると、企業はどうしても「まず採ること」に意識が向きます。
しかし、高校生採用で特に重要なのは入社後です。
社会人経験のない若者にとって、上司との関係、仕事の教え方、失敗したときのフォロー、などは、その後の定着に大きく影響します。
採用できたとしても、短期間で離職してしまえば、企業にとっても本人にとっても残念な結果になってしまいます。
だからこそ、採用競争が激しくなるほど、育成の重要性も高まるという視点が必要です。
「選ぶ採用」から「選ばれる採用」へ
採用担当者はこれまで、「この応募者は自社に合うだろうか」という視点で採用を考えてきました。
もちろん、その考え方は今後も必要です。
しかし、売り手市場が続けば、もう一つの視点が必要になります。
それは、「応募者から見て、自社は選びたい会社なのか」という視点です。
- 会社説明
- 面接対応
- 職場見
- 求人内容
その一つひとつが応募者から評価されています。
採用選考そのものが、企業を評価してもらう場になっているのです。
まとめ
今後の採用市場は高校生に限らず新卒、中途採用は求人倍率が高まる傾向にあると考えられています。
高校新卒者の求人倍率が4倍を超える現在、採用する人材を自由に選べる時代ではなくなりつつあります。
採用市場が変われば、採用方法も変えなければなりません。
「高校生1人に4社」の数字は単なる求人倍率ではなく、企業と応募者の立場が大きく変わり始めていることを示す数字なのではないでしょうか。
文責:田辺顕
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