「柔軟な働き方」を成功させる鍵は?ミスマッチを防ぐ"相性診断"のススメ
少子高齢化や働き方の多様化を背景に、採用市場では「柔軟な働き方」を前提とした人材獲得が不可欠になりつつあります。副業可、週3勤務、時短勤務、リモートワークなど、企業側の働き方に対する柔軟性が問われる状況の中、これまで採用対象となりにくかった層(シニア、子育て中の方、キャリアブランクのある方、外国籍の方など)にも採用の機会が広がっています。
しかし、多様性を重視する採用は、"ミスマッチのリスク"も同時に伴います。そこで、適性検査の活用が重要になってきます。
柔軟な働き方と多様な人材の活用
働き方の柔軟化により、企業は以下のような多様な人材を採用しやすくなっています。
- 育児・介護などにより時間的制約のある人材
- 副業・兼業を希望する高度専門人材
- Uターン/Iターン志向者や地方居住者
- 外国籍人材やジェンダー多様性に配慮した人材層
- 定年後のシニア人材や再チャレンジ人材
多様性の拡大は新しい視点や知見をもたらす一方で、組織文化への適応や協働のしやすさといった観点では、十分な見極めが求められる場合があります。
適性検査で"相性"と"活躍可能性"を可視化する
多様な人材を受け入れるうえで、適性検査は「どのような人が自社で活躍しやすいのか」を客観的に判断する有力な手段となります。特に以下の観点で大きな効果を発揮します。
1. 自社カルチャーとのフィットを見極める
自社におけるカルチャーフィットを見極めるためには、まず既存社員に適性検査を実施し、どのような価値観や行動特性、強みが組織内で共通して見られるのかを可視化することが重要です。たとえば、「挑戦志向が強い」「堅実で慎重」「チームワークを重視する」「自律的に動く傾向がある」など、日々の業務では把握しきれない傾向を数値化することで、自社が大切にしている暗黙の価値観や成功しやすい行動パターンが浮き彫りになります。これはいわば、自社を特徴づける"らしさ"を客観的なデータとして整理する作業です。
次に、そのデータを基準として応募者の適性結果と照らし合わせることで、文化的な相性や働き方のマッチ度を事前に把握できます。面接ではどうしても「印象」に左右されがちですが、適性検査を併用することで、応募者がどの程度組織文化に馴染めそうか、チームメンバーとどのように関わりそうかをより正確に判断できるようになります。
その結果として、入社後に「思っていた働き方と違った」「チームとの相性が合わない」といったギャップが生じにくくなり、早期離職の防止につながります。また、事前に相性を把握しておくことで、配属後のオンボーディングも適切に設計でき、立ち上がりのスピードや職場への定着率を高めることが可能となります。
2. 協調性・主体性など、行動傾向を客観的に測定する
面接では「話し方」「受け答えの雰囲気」などから協調性や主体性を推測することはできますが、その場限りの印象に左右されることも多く、実際の行動傾向を見抜くには限界があります。適性検査を併用することで、協調性・主体性・自律性・ストレス耐性・柔軟性といった、日常の業務で発揮される"働き方のクセ"を数値化して捉えることが可能になります。
特に、リモートワークや週3勤務、副業・兼業といった多様な働き方が広がる中では、「自ら必要な情報を取りに行けるか」「困ったときに適切なタイミングで相談できるか」「決められた時間で業務を完結できるか」といった能力が重要です。こうした能力は履歴書や面接だけでは判断しづらい領域ですが、適性検査によって行動傾向を定量的に把握できれば、安心して業務を任せられるかどうかの判断に直結します。
例えば、協調性が高い人材はチームでの連携が得意で、コミュニケーションが活発な職場で力を発揮しやすい一方、自律性が高い人材はフルリモートでも自己管理しながら成果を出しやすい傾向があります。こうしたタイプの違いを事前に理解しておくことで、採用だけでなく、配属・育成・マネジメント方針の確立にも役立ちます。
3. ポテンシャル人材を見抜く
適性検査の大きな価値の一つは、「経験やスキルだけでは測れない伸びしろ」を見抜ける点にあります。たとえ職務経験が浅かったり、キャリアにブランクがあったり、異業種からの転職であっても、成長意欲、粘り強さ、柔軟性、順応性といった内面的な資質が高い人材は、環境さえ整えば大きく活躍する可能性を秘めています。
こうした内面資質は、履歴書や職務経歴書だけでは判断が難しく、面接の短時間で見抜くことも容易ではありません。適性検査を活用すれば、候補者がどのような環境で力を発揮しやすいか、困難に直面したときにどう対処する傾向があるか、変化に適応できるかといった「未来のパフォーマンスにつながる特性」を把握することができます。
これにより、採用対象を「経験者」だけに限定せず、未経験者やキャリアチェンジ希望者、Uターン・Iターン人材など、多様な背景を持つ候補者にも目を向けられるようになります。特に成長意欲の高い人材を採用できれば、将来的にリーダー候補として育成することも可能になり、組織全体の人材ポートフォリオを強化することにつながります。
まとめ
柔軟な働き方を前提とした採用が広がる中、適性検査を活用することで、次のような効果が期待できます。
- 柔軟な採用方針でもミスマッチを最小限に抑えられる
- 多様な人材を受け入れる際の「不安」や「判断の迷い」が軽減される
- 入社後の定着率や早期活躍につながる
- シニア層・ブランク人材・副業人材など、新しい人材層への採用間口が広がる
柔軟な働き方を取り入れた採用は、これからの時代に企業が成長するうえで欠かせない取り組みです。しかし、相性や行動傾向を見極めずに受け入れを拡大すると、ミスマッチや離職リスクが高まる可能性もあります。
そこで、適性検査による人と組織の相性診断を活用することで、採用判断の精度を高め、安心して多様な人材を迎え入れることができます。
貴社の採用戦略において、適性検査の導入・再活用をぜひご検討ください。
文責:田辺顕
- 性格適性とストレス耐性を両方検査したい場合は「CUBIC採用適性検査 ストレス耐性診断付き」
- 性格適性、コンピテンシー(行動特性分析)、ストレスフルチェックを同時に検査したい場合は「Compass適性検査」
- ストレス耐性に特化した適性検査なら「ストレス耐性テスト DIST」
- ストレス耐性とEQ(感情知能能力)を両方検査したい場合は「アドバンテッジインサイト」
検査診断へのお問い合わせ
検査診断へのお問い合わせは、お問い合わせフォームより承っております。お気軽にお問い合わせ下さい。
検査診断へのお問い合わせお問い合わせフォームがご利用になれない場合は、下記のフリーダイアルをご利用ください。