目標管理 ( 管理職 & 経営層向け )
「目標管理 MBOの導入割合は73.8%」労務行政研究所調査より
労務行政研究所の「2010年1月人事労務諸制度実施状況調査」では、目標管理制度の導入率は73.8%、処遇への反映は「直接反映」が59.0%、「間接的反映」が35.4%
新しい期の初めは、目標検討ミーティングから始めましょう。
ITシステムや電子メールが便利だからといって、目標設定をITやメールだけで済ませるのは良くありません。
例えば管理職が自分の目標をメールで部下に流し、各部下が上司にメールで返信しながら目標を作っていく、というスタイルがこれに該当します。
たかが指標。されど指標。選択を誤れば、組織は間違った方向に !
たかが指標。されど指標。選択を誤れば、組織を間違った方向にリードしてしまう。
「企業の目的は、顧客の創造である」の名言を残したPFドラッカー。彼のコンサルティングを受けて、組織が顧客志向の目標を設定し、よみがえったという事例が、この本には紹介されている。
目標設定のための面談 ~オープンに話し合える雰囲気を~
目標設定の面談は、オープンな雰囲気で進めることがポイントだ。しかし、ともすると自分(管理職)が抱えている目標を部下に割り付ける、という雰囲気になりがちだ。部下の目標数値の足し算が自分の目標と一致すると、なんとなく安心するからだろう。結果「説得する」「目標を割りつける」という雰囲気になる面談が多い。
組織内部での目標の共有化 ~目標の共有化に失敗し倒産した会社~
「経営層や管理職が思うほど、社員は会社や部門の目標を理解していない。」
目標管理研修や考課者訓練、コンサルティングでの一般社員へのインタビューなどで、そう感じる事が多い。大手の研修会でも「○○という目標を持たされているんですけど、意味がわかりません」などの質問が飛んでくる事もある。
以下は私の担当したクライアント(バブル崩壊直後に倒産)での実話だ。
派遣社員とパートにも目標を?
派遣社員やパートの方々も組織の一員。目標を持ってもらっても良いと思う。
社員と同じシートを使うのが難しいなら、別の簡単なシートでもいいと思う。
評価も同じだ。簡略なものでもやった方が良い。
部下の目標レベルを引き上げる為には ~ 処遇だけで説得しない ~
部下がなかなかレベルの高い目標を出してくれない。多くの管理職が悩むところだ。特に人事評価と目標管理とが連動している組織では、その傾向が顕著だ。
部下の気持ち的には、次のようなものだろう。
「高い目標だとプレッシャーにもなる」
「達成できなければ、賞与などで損をする」
What構築能力の高い「第一線リーダー」の存在 2 ~その為には何が必要か ~
前のページでは慶応大学の高橋俊介先生の著書「組織改革」から「自律型組織実現のための基本的要件の一つとしてあげておられる「What構築能力の高い第一線リーダーの存在」について、元気な企業の事例を通して考察をしてみました。
では「What構築能力」とは何なのか。
What構築能力の高い「第一線リーダー」の存在 ~明確な目標設定能力が問われる ~
慶応大学の高橋俊介先生は 著書「組織改革」東洋経済新聞社刊のなかで「自律型組織実現のための基本的要件」として次の6つをあげておられる。
1)What構築能力の高い「第一線リーダー」の存在
2)コーチング的マネジメント
3)少ないルールと多くのリソース
4)仕事へのコミットメント
5)ビジョンやバリューの共有
6)組織品質の管理
鬱を呼ぶ個人主義的な目標管理制度
目標管理制度は個人が目標を立てて、その人が自主的に進捗を管理する、という前提がある。これはその通りだが行き過ぎた「個人主義的な目標管理制度」は個人を孤立した気分に陥らせる。チームワークを阻害する。同僚がどのような目標をなぜ追求しようとしているのか、それがブラックボックス化されていればチームワークは生まれない。
能力開発目標は本当に必要?
目標管理シートに「能力開発目標」の欄が用意されているシートを見かけることが多い。何を学ぶのかを個人が意識して一年間、がんばるという行為自体は大切なことだ。しかし、組織全体の目標シートに入れるべきかどうかは、良く検討した方が良い。
目標の事例、サンプルの功罪
目標管理で大切なのは、目標を具体化することだ。それをイメージさせたくて目標シートの記入事例を用意することがある。また、専門書にも業界や職種での目標のサンプルを提示しているものもある。サンプルは目標のイメージがつかまえやすい、という効果がある反面、次のようなデメリットもある。
目標シートの "カッコ良さ" にだまされない。
目標がよくできているように見えてしまうシートがある。コンサルタントである私ですら騙される(?)ことがある。専門用語を随所に散りばめ「○×調査」「××審議会運営」などと表現的に「カッコいい達成手段」が書いてあると、騙されやすい。少なくとも私はそうだ。
上司と部下の一対一の目標設定がチームワークを阻害する。
目標設定を上司と部下の一対一で行う組織が増えているようだ。理由は良くわからないが、プライバシー保護の概念が行き過ぎていることも影響しているのかもしれない。目標を公開すると問題があると考えているか、もともと個人目標なのだから上司とその個人さえ理解していれば良い、という考え方があるようだ。
目標だけで評価すると?
目標の結果だけで人事評価すると以下のような傾向がでやすいようだ。
営業の「売上」と目標管理の「目標」
営業における「売上」は、現場から積み上がって固まるものではないと思っています。できればそうするのが理想かもしれませんが、現実的には不可能です。経営層は会社全体のこと等様々な事業のこと、競合状態のこと等幅広い視野、長期的な観点から売上目標を定めます。
目標管理活性化の提案
・組織のリーダーが、目標管理制度に積極的な取り組みをみせる組織
・運用に一定の時間をかけ丁寧に運用している組織
・関連する制度との連携が上手く取れていて、目標管理というシステムが全体の経営システムと調和が取れている組織
被考課者訓練の充実を
考課者訓練を実行していても「被考課者訓練」を開催する組織は、圧倒的に少ないです。考課者訓練で「人事考課フィードバックの際にはこのような点に気をつけましょう」という講義を管理職は受けるのですが、フィードバックされる側への説明、講習はほぼ皆無であるといえます。
管理職が自信をもって効果的なフィードバックをしていくためには、「フィードバックを受ける相手が目標管理・人事考課を深く理解していること」が何より不可欠なのです。
「人事考課の目的」「考課の仕組み」「目標管理の意義」「自己評価と上司評価が違う場合」「上司からの話の聞き方」「上司に自分の考えを伝える」「怒りや疑問が生じた場合の対処」といったことは「目標管理マニュアル」「人事考課マニュアル」の配布だけでは現実的には伝わりません。
実際問題として、なかなかその費用や時間が取れない、ということもあろうかと思います。そのような組織には、次の提案をしたいです。