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目標のテーマそのものが陳腐化したら、さっさと迷わず変更しよう。

1.期首には予期しなかったことが起こる

・営業系で言えば、期待していた取引先が倒産した
・技術系で言えば、開発テーマが期中に大きく変わってしまった
・生産系では、生産品目が大きく変わった
・事務系では、事務処理のコンピューターシステムが変更された

このような事態は、これからの世の中当然のことです。劇的な変化そのものが当たり前な世の中になってしまったのですから、期首に立てた目標を期中で見直したら状況にフィットしていなかった、なんてことは日常茶飯事です。劇的な変化ではなかったにせよ、小さな変化、小さな見込み違いなどは起こってしまうのが当然。なぜなら私達は予測のつかない未来の状況を考察しつつ期首に目標を立てるのですから、そこでジタバタすることこそ時間の無駄です。

2.環境に合わない目標を追求する余裕はどこにもありません

今の組織は人員的に、かなりスリム化されてきています。ギリギリの人員で動かしている、というところもあるでしょう。そんな組織の中で環境に合わない目標を追求する余裕はどこにもありません。もしあるとすれば、組織全体の成果や顧客からの評価とは関係のないところで仕事をしている人達だけです。たぶんそれは官僚主義、自己都合主義と呼ばれるような職場ではないでしょうか。

3.他責にせず「では私としてはどうすべきなのか?」を問いましょう

環境変化の見込みを間違っていた、テーマ設定が間違っていた、という問題が発生したとき、私たちはついつい原因を外部に求めてしまいます。もっともやり玉に挙がりやすいのは、お気の毒ですが上司であったり、経営のトップの方々であったりするのでしょう。会社の戦略が間違っていたり、上司の指導が悪かったり、開発が遅いからというようにビジネスでのミスは責任を他人に求めてしまうのが常です。

多くのビジネスマンは経営戦略を直接コントロールすることは、残念ですが出来ないのが現状です。親を選ぶことが出来ないように、上司を選ぶことも出来ません。そんな時間の無駄なことで悩んだりしていないで「私としてはどうすべきなのか?」という方法を考えていくことをお勧めします。

4.目標の変更を面倒なことと捉えずに、機会だと捉えましょう

もし目標を変更した方がよいと考えたのなら、上司と相談したうえで即実行すべきです。ついつい人は慣れた日常業務に時間を割きたがり、目標や達成手段の変更など、それ自体何らかの業績が向上する実感のないものは面倒だという感じを抱きがちです。目標を変更するといっても大きく分けると2つのケースがあります。

1つ目は、テーマを変更する、という場合です。

・「○△製品を××万円受注する」という目標を掲げていたのですが、発売が来期に延期された
・「YZ製品の組立の生産性を10%向上する」という目標だったのがYZ製品が販売中止になった場合

目標は必ず変更しなければなりませんが、前述したように環境に合わない目標を追求する余裕など今の組織にはないからです。

2つ目は、達成レベルを変えるべき場合です。

・「○△製品を××万円受注する」という目標を掲げていたのですが、発売後、爆発的な売上を見せ、すでに××万円売り上げてしまった場合
・「YZ製品の組立の生産性を10%向上する」という目標だったのが、生産ラインが変更されて、なにもしなくても10%あがってしまった場合

このような場合は、達成レベルを変えなければなりません。但し、後者に限っていえば「YZ製品の組立の生産性を10%向上する」を15%というように達成レベルを上方に修正することも考えられますが「AB製品の組立の生産性を10%向上する」というように、テーマを変更することも考えられるでしょう。

5.達成がきつくなった時などは、安易に達成レベルを下げることは避けましょう

達成レベルを上方修正する場合は、あまり組織内で問題になることはありませんが、達成レベルを下方修正する場合は良く検討してからにしましょう。自分の目標を下方修正することで、組織全体の目標まで下方修正しなければならない、といった場合などはなおさらです。

特に達成手段をきちんと踏んでいないにも関わらず、達成レベルに届きそうにもないから、という理由で目標を下げるのは非常に良くない事です。これを安易に提案すると、その人自身の信頼を損ねかねません。組織に受け入れられるのは環境が思わぬ方向に変化してしまい、誰が考えても達成レベルに届かない、という場合だけにしましょう。

6.達成手段が上手くいかず達成出来ませんでした、というのでは絶対ダメ!即座に代替行動を起こしましょう

状況は刻々と変わるものです。当初考えていた達成手段が実施できなくなることもあるでしょう。例えば「メーカーの開発部門担当者を招いて製品の技術勉強会を開く 7月」としていたところが、先方の都合でキャンセルになったり日延べになったりする、などということはよく起こることです。

しかし、計画していた達成手段が実施できなかったから、目標が達成しませんでした、というのでは全然ダメ。目標が達成できない理由にはなりえません。

目標管理はシートに書いたことだけをクリアすれば良いというものではありません。シートに書いてあるのは重要な新規のアクションだけのはずだからです。予定していたことができなくなったのなら、代わりのアクション(代替案)を、実施しなければなりません。またシートに記入してあった達成手段をキチンと実施したがインパクトが弱く、このままでは目標が達成できない、と感じた時はどうするべきでしょうか。

その時もまた、代替案や追加案を考えて実施しなければ成果には結びついていきません。仕事とはそれほどに厳しいものです。

7.代替行動や追加策は宣言してから実施しましょう

代替案を実施するにあたり、一つだけ注意すべき点があります。それは上司や関係者に当初の達成手段を中止すること、または新しい代替案や追加策を実施すること、これらを通知してから行って行くということです。

目標管理シートは、それが動き始めた時から皆さんのものだけではなく上司や関係者に影響を与えるものになっていきます。自分だけの思いこみや都合でそれをキャンセルしたり違う手段に変えたり、というのでは困る人も出てくる可能性があります。そういった意味でも目標管理シートは、自分だけのものというよりは社会的な存在になっているという自覚が必要です。

8.代替行動が出せるのは、はじめに達成手段が考えてあったから(仮説があったから)

手段は時と場合によって柔軟に変えるべきものです。目標は明示しても手段を細かく事前に書く必要はないのではないか、という意見もたまに聞かれますが代替行動が出せるのは、はじめに達成手段が考えてあってこそ仮説が成り立つという側面があります。

例えば

・「メーカーの開発部門担当者を招いて製品の技術勉強会を開く」というのが不可能になってしまっても、メーカーの営業部門の人に働きかけてみて、事前につくった達成手段をヒントに代替案をいくつも考えられたりします。事前に達成手段を考えておくということは、目標に近づいていくための幾つかの仮説をおくことでしかないかもしれません。が、その仮説と実際の違いが明らかになり、その違いの中にある真実が見えてくる、という構図もありえます。
・「○×製品売上を××万円アップさせる」という目標を達成するための手段として「環境問題を切り口とした提案書を作成し、既存顧客に提案する 8月~9月」という仮説があったとしましょう。しかし実施してみて、この達成手段ではインパクトが弱いことが分かりました。その理由は、○×製品は環境問題に関心の強いユーザーではなく、コストダウンに関心の強い顧客に興味を持たれていたのだっということがわかりました。

このようにしつつ我々は目標に近づいていくのではないでしょうか。仮説を持って目標達成に臨む場合その過程において仮説を検証することにより、真実(顧客や市場、新技術等)を体得していくのではないかと考えます。事前に達成手段をつくりつつ、柔軟に手段を変更していくことが必要なのです。

文責:田辺和彦

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