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人事考課フィードバックのポイント

1.目標管理連動型人事考課の場合

小さな会話のチャッチボールを繰り返す。

上手くいかないフィードバック
  上司からの話 > 部下からの話 → 上手く伝わらない
上手くいくフィードバック
  部下からの話 = 部下からの話 → 相互に上手く伝わる
2.目標管理連動型人事考課の場合

・目標達成について努力した項目やポイントを聴く

・目標以外で努力した事柄や成果を聴く

・上司として特に評価できたところや感謝したい点を話す

・部下評価とギャップのある項目について話し合い

・最終評価を伝える

・評価結果についての感想を聴く

・来期目標設定や、能力開発の方向性について話し合う

3.目標管理連動型人事考課の場合

・最終評価を伝える

・その理由を上司が説明(説得)する

・異論がないかを確認し、なければ終了する

これでは「理由を説明する」という部分は、なかなか素直に耳に入ってきません。

たとえ評価が平均的(5点満点の3点)であっても、何故3点なの? という疑問が部下の心を占領します。憤慨したり、落ち込んだりで感情的になる場合もあると思います。

例えていえば、このような話の持っていき方は「安売りのチラシ」のようなものです。高額商品やサービスは、最初から値段のことを言いません。必ず、商品の機能や、推奨する背景、お客にとっての価値などを伝えてから価格の話しに入ります。

4.人事考課制度についてのQ&A
Q:人事考課の結果をフィードバックするのですか?
A:

人事考課の結果を全てオープンにして被考課者に伝える手続きのことを、人事考課結果のフィードバックと呼びます。これは、新しい人事考課制度の定着度合を図りながら、実施するほうが賢明です。大まかな目安としては、導入後2~3年目から実施というスケジュールです。

なぜなら十分に考課者が制度全体を理解していないと、中途半端なフィードバックになり、かえって被考課者と考課者の信頼関係が揺らぐケースが多いためです。

また、フィードバックを実施する際には「被評価者研修(一般社員向け)」を実施する必要があると思います。

ネガティブな内容のフィードバックを受けることの意味や、その対応力などを高めていくことが大切です。

Q:人が人を評価するというのは難しいことですよね(本来不可能では?)
A:

人事考課は、部下の人柄や人間性などを評価するものではありません。

あくまでも職務記述書や成果責任と対比して、半期間どのような結果だったかをレポートするのが人事考課です。

Q:人事考課の基準はどのように作っても、考課者が恣意的に人事考課を行えば一緒ではないか?
A:

人事考課の基準となる職務記述書・職能基準書などを、外部専門家の客観的な目でも調整することが大切かと思います。

恣意的な人事考課が行われないよう、人事考課者訓練を充実させることも大切です。

Q:考課者の甘辛がでてしまうと、厳しい管理職のもとにいる人が不利になるのでは?
A:

甘い人事考課であったのか、そうでなかったのか等は、会社全体を見渡せる立場にある評価委員会で部門ごとの人事考課点の平均点で管理することが望ましいと考えています。

平均点からずれていることの合理性が認められない場合は、その管理職の甘辛傾向がでているものと判断し、修正を命じることになります。

また、甘辛傾向が頻繁に出る役職者は、自身の人事考課が低くなる仕組みを入れるのが良いでしょう(管理職の行動、成果として不適切)。

Q:考課点の分布規制は行わないのか
A:

行わないことをお勧めします。100人以下の組織で分布規制してしまうと、実態とあわない評価点が付けられる恐れが強いからです。

ただし、中心化傾向になっていないかを本人や評価委員会、人事部がチェック・モニターする仕組みが必要です。平均点からのバラツキを偏差(標準偏差や平均偏差)などで、中心化傾向にないかどうかをチェックしましょう。

文責:田辺和彦

■評価のクセを知るには→評価傾向診断

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