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メンバーを対等なパートナーとして扱う

リーダーシップは単独では存在しません。チームあってのリーダーであり、メンバーのフォロワーシップがあってのリーダーシップなのです。
シップという言葉はズバリ「船」そのものです。もとは同じ船に乗る船長とクルーの関係を意味しています。船は古代から技術の粋を集めた乗り物です。いつも船長の目のとどく範囲で仕事がおこなわれているわけではありませんし、船長が万能であるわけでもありません。したがって、クルーの自立的な活躍が期待される職場だといえます。

クルーはそれぞれの特技、たとえば、機関、航海、通信、などの専門能力をもってチームに貢献します。すなわち貢献に値する何かを持ち寄っているということが大事になってきます。そういう点では、皆何かをもっているオーナーなのでしょう。仕事でいえば、コンピテンシーということになります。すなわち能力は、その人が価値ある存在でいられるための財産なのです。

よく間違いがおこってしまうのは、リーダーしか判断しない、あるいはできないというチームがありますが、これはでは意味がありません。リーダー以外は、ただ言われただけのことをやっているという受身な考え方では、簡単なヨットであっても船は動かないでしょう。それに、皆すばらしい頭をもっているわけですから、判断はひとりひとりができるはずです。

誰もが「自分だったらこうする」という責任ある意見を持ち合わせるとき、チームとして最良の判断に到達できるのではないでしょうか。そのためには、リーダーがひとりひとりを大切なパートナーとして扱っているかということが効いてきます。決断に関していえば、それは一人の権限にゆだねざるを得ないので、リーダーの下した決断にしたがって、行動をするということでなければ、チーム行動は分裂してしまいます。だから決心はリーダーの責務です。チームとしての方針が定まらなければ、行動はバラバラであり組織としてのまとまりはなくなってしまうからです。

メンバーは組織を構成する部品(パーツ)ではありません。重要なパートを担うという意味でのパートナーなのです。パートは約束に基づく役割分担をいうのですから、一定の要件さえ満たされれば、チェンジ可能であると考えたほうがいいでしょう。つまり、リーダーはあるときはメンバーになり、メンバーがあるときはリーダーにも成り得るわけです。これが、本来の意味でいう状況対応型リーダーシップというものでしょう。

著:行時博孝 →360サポーターズ
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