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育成(権限委譲やコーチングを含む)

「むかしむかし、あるところに、お父さんとその息子がいました。
お父さんは、釣りが好きでよく釣りに海へ行っていました。息子は魚が大好きで、お父さんが釣って持ち帰ってくる魚を、いつも楽しみに待っていました。いつもたくさんの釣った魚を家に持ち帰っていましたが、あるときあまり魚が釣れないときがありました。息子はとても悲しみ、お父さんに魚をねだりました。お父さんは、悲しむ息子がとてもかわいそうになり、次回こそはもっと魚を釣って、息子のために持ち帰ろうとかたく決意しました。毎回、魚釣りに行くたびに、息子のために魚をより多く釣って持ち帰ろうとしました。しかし釣れない日もあります。こんなことを繰り返しながら日々が過ぎてゆきました。ある日突然、お父さんは山の仕事で出張となり、1年間家を留守にし、釣りもすることが出来ませんでした。当然、息子は大好きな魚を食べることが出来ません。1年間、毎日、悲しい日が続きました。」

こんな昔話があったとします。どういう感想をお持ちになるでしょうか?息子は、どうして大好きな魚を1年間も食べることができなくなってしまったのでしょうか?それは、育成していなかったからです。息子が欲しいという魚を、お父さんは釣っては与え、釣っては与えることで、その場その場だけの息子の喜ぶ姿に満足していたわけです。息子も、お父さんのみを頼って、家で待っていただけだったのです。

では、お父さんが息子を連れて、いっしょに海へ釣りに行っていたらどうでしょうか?息子は大好きな魚をどうやって手に入れるかということを見て学んだでしょう。やがて、自分でも大好きな魚を自分で釣ってみようと思うようになったでしょう。だいいち、自分が大好きなものを、自分の手で手に入れることが出来るわけですから、こんなに大きな喜びはないでしょう。お父さんも、魚の釣り方を息子に教える喜びを得、お父さん自身も教えることでいろいろと考え、釣り方もさらにうまくなっていったことでしょう。

お父さんと息子で、もっとたくさんの魚を釣ることもできたでしょう。お父さんがいなくなっても、息子はずっと大好きな魚を自分で釣って食べることが出来たわけです。育成の効果は計り知れません。

著:佐藤創紀 →360サポーターズ
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