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人事管理の単位は「職務」から「役割」へが潮流か

職務」という単位が揺らぎつつある。「職務」と括って表現しようとしてもマッチしない仕事を担当する人達が多いからだ。一人一人は結構違う仕事をし、違う能力が求められているのだ。比較的、人数をかけてやるような職種(例:店頭販売職)は、そうでもない。職務(例:店頭販売職中級)で合う。

しかし、技術系、スタッフ系、企画営業系は、一人が幾つもの違う役割を担っている場合が多い。

そのような組織で「職務記述書」を「職務」で括って表現すると、合わない部分が多いものだから読まれなくなる。能力開発や人事考課の為の判断材料(ツール)として使ってくれない。だから、管理職層では「職務」記述書から「職位」記述書へとシフトしつつある。管理単位の「職務」という括りが解け、「職位(個人個人というイメージ)」だ。

■関連コメントはこちら→「職務記述書(job description)から職位記述書(position description)へ

しかしこの流れには、問題もある。

一人一人が「記述書を書く能力」が持てるのか、甘辛などの調整をするスキルが上司や人事部門に持てるのか? という問題である。

管理職のような人達なら、様々なことを考え、上下や関係部門と調整しながら「職位記述書」を書くことは可能かもしれない。実際、欧米系の企業では、新任の経営者や上級管理職は、部下の仕事を知ろうとして、 "Describe your job ! "と管理職に要求することが当たり前になっているようだ。そして、スラッと書き込んで提出する能力もあるようだ。

しかし、この流れを一般社員全体に期待するのは困難なことではないか、と思う。

むしろある程度「職務」を3~4程度に分解した「役割」を整備し、それぞれの社員が「役割データベース」や「役割カタログ」を参照しながら、自分の役割をまず大きく捉えた上で「期待される成果(成果責任)」や「代表的な仕事(課業)」「期待される能力」を組み立てていく方が、現実的だと思える。

(まとめ)

管理職層は、「職務」から「職位」へと動いていくだろう。

全般的には、「職務」から「役割」へと動いていくだろう。

文責:田辺和彦

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