人事コンサル事例HRM CONSULTING CASE

フィードバック面接のファシリテーター

成果主義人事制度設計から導入までコンサルタントとして支援した会社(従業員50名)の事例です。

この会社では、人事制度の説明会も私が代行していました。そのときの反応は、必ずしも好意的ではありません。「こんな事、できる訳ないだろう」という懐疑的な雰囲気も漂っていました。そこで、新人事制度が運用されて初めての業績評価のフィードバック面接には、私が立ち会うことになりました。この会社の場合、管理職の方々も業績評価のフィードバックは初めての経験です。

事前準備として、社員全員にフィードバックの趣旨や流れなどをメールで周知してもらいました。管理職の方々へは「フィードバックの流れ、注意点」をマニュアル化し、読んでもらうことにしました。フィードバック面接に立ち会う当日は、設計・導入に関わったコンサルタントとしての責任感からか、私にも緊張感がありました。

フィードバック面接は、基本的に30分です。少し短いかなと感じていましたが、諸条件から、そうせざるを得なかったのです。フィードバック面接のはじめの2分間は、まずファシリテーターである私が、趣旨や流れを解説します。その後、上司からマニュアルにそって面接を進めていただきました。面接の中では、できるだけ、部下の話を聴くように、上司にお願いしていました。また、ファシリテーターとして、私もそのような進行を心がけました。

結果的には、面接時間が30分を少し超えた人もいましたが、ほぼ時間通りに進行しました。手前味噌かもしれませんが、全員の方々が、フィードバック面接そのものに満足していたように感じました。いろいろな反応がありましたが、社員の方々からあがった感想です。

  • 「自分がやったことを見てもらえたということがうれしい。忙しそうにされている上司の方には、きっと見えてないと思ったことを見てくれていたことがわかった」(技術女性)
  • 「目標を達成するためにコミュニケーションをしてみた。自分の殻を少しやぶれて成長した」(庶務女性)
  • 「抵抗感があったものの、みんなよくやっている」(総務男性)

この会社は創業者が率いています。私は、その創業者が契約したコンサルタントという立場です。このようなケースでは、ネガティブな意見は、もともと上がってこないのだろうと思います。でも、それを割り引いても、社員の方々の面接中の目の輝きは、私にとっては印象深いものでした。

上司と部下とのやりとりは、プロフェッショナルとしての厳しさと、人としての優しさが感じられるものでした。すべての組織で同様のフィードバックが再現できるか、と問われると心もとないところがあります。経営者のリーダーシップや、管理職の人柄、これまでの上司と部下の間の信頼蓄積があってのことだと思います。

でもやはりフィードバックはしっかりやる必要がある。同時に、業績評価決定までの手順や人事制度そのものを良く考えておく必要がある、と実感させられた事例でした。

文責:田辺和彦


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